#172_1年次 産業社会と人間 防災講話『いのちのイメトレ』
令和6年9月17日(火)1年次「産業社会と人間」では、陸前高田市にある一般社団法人トナリノの千葉玲奈さん(防災士)をお招きし、生徒の防災意識を高めるための講演をしていただきました。
2011年3月11日に東日本大震災が発生した時、今の高校1年生(2008年4月2日~2009年4月1日生)はまだ2歳でした。彼らにとって、震災経験者の話や当時の映像は貴重な学びになりました。
『震度7の地震が発生した』という想定で、災害直前から、自分が「どこで」「誰と」「何をしていたか」ということをイメージし、被災後の行動を時系列に黒ペンで書き込んでいくという "目黒巻(めぐろまき)" を使ったワークショップにも取り組みました。
※防災豆知識①_"目黒巻"とは・・?(下線部をクリックすると詳細リンクに飛びます)「目黒巻」とは東京大学生産技術研究所の防災を専門とする目黒公郎教授が考案したもので、災害発生時に自分はどのように行動するかを時系列的に記入していくイメージ・トレーニング・ツールです。
生徒たちは、とても真剣にワークに取り組みました。しかし、自分の行動を書き込んだ後に、実際の大地震の映像を見て、講師の先生から大地震の事実を聞くと、自分たちが想像したよりも揺れは長く続き、落下物などもたくさんあって、すぐに安全に外に逃げることは難しい状況になるということを初めて理解しました。地震直後に停電するかも知れないことを多くの生徒たちは想像できていませんでした。大震災は自分たちの想像以上の破壊力があり、地震直後は、ただ収まるのを待つしかありません。
講義を聞いて、生徒は見過ごしていた自分の行動の課題点、今からできる備えなどを確認することができました。そして”目黒巻き”に青ペンで行動の修正点を、赤ペンで今、備えられることを、一人ひとり書き込んでいきました。(付箋を使用することで、より効果的に実施することができます。)
講師の千葉さんは「防災は、イメージすることがとても大事です」とおっしゃいました。実際に地震が起きる前に、状況をイメージしておくと、自分が「その時」のために、「今、何をしておくべきか」がわかり、命が助かるかも知れない。今回の防災講話では、防災意識を高めるために非常に有意義な「イメトレ」=「イメージトレーニング」ができました。大地震を体験していない若い世代にとって、防災を学び危機意識を持って備えることは、これからも非常に重要なことだと思いました。
生徒の感想(一部抜粋)
・揺れは1分程度だと思っていたが、大地震のときは3分近く揺れが続くのは想定外だった。
・落下物の危険性を少しでも減らすために高いところにものを置かない、背の高い家具は固定するといった備えが大切だと学びました。
・生き埋めから生還した人の救命方法について、救助隊によるものは全体の1.7%しかいなく、30%は自力、60%は家族、友達、隣人によるものだと知って驚いた。
・目黒巻のおかげで状況を想像できたし、自分の行動に足りなかった部分を見つけることができた。また、友達と共有したことで新しい考えを見つけることができて面白かった。
・在宅避難には、物資や情報が入りづらいというデメリットがあるが、日頃からの備えによって緩和することができることを知った。
・目黒巻を書いてみて、自分がしようとしている行動は正しいのかを確認することができてよかったし、今のうちに避難場所や防災グッズの保管場所など確認しておかなければならないことも分かった。
・今日の講話の中で「私たちと同じことを繰り返してほしくない」という被災者の言葉が一番印象に残った。今回学んだことを忘れず、目黒巻に赤ペンで書いたことを今日から実践していきたい。
・災害用伝言ダイヤル「171」のことを初めて知ったので、いざという時のために家族で共有しておきたい。
・防災対策の三要素として「自助、共助、公助」があることを知った。自分の命は自分で守れるように今のうちから備えておき、周りの人を助けていきたい。
※防災豆知識②_災害用伝言ダイヤル「171」とは・・?(下線部をクリックするとNTT東日本のリンクに飛びます)